「――以上です」
「うん、ご苦労様。しばらくはゆっくり出来ると思うから」
「……失礼します」

短く今回の任務の報告をし、神田は室長室を後にする。
ここ最近難度は低いものの立て続けに入った任務で各地を飛び回っていたため教団へと帰ってくるのは久しぶりだった。

(ジェリーんとこで飯食ってから六幻の手入れして……)

自室へと戻る道すがらこれからの予定を組み立てる。と、

「ユーウーー!!」
「……ラビ」

――あぁ。厄介なのに見つかってしまった。
勢いで抱き着かれそうになったのをなんとか引き剥がす(ヤツは人目を気にしない)。

「ひっさしぶりさ〜!いつこっちに帰って来たんさ?」
「あぁ、今朝着いた」
「なぁ、しばらくはこっちにいられんだろ?」
「コムイの言葉を信じるならな」

溜め息混じりに吐き出せば横でカラカラとラビが笑う。

(この笑い声も久しぶりだな……)

ふ、と無意識に口元が上がる。その珍しい神田の微笑みにラビもまた笑みを深くして、ユウ、と名を呼ぶ。

「おかえり、ユウ」
「……あぁ」



ただいま
(それよりお前どこまでついてくるつもりだ)
(二人の愛の……ごめんなさい)




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